2011/11/08

じいちゃん、ばあちゃん、ありがとう。

読みふけってしまった。

父は終戦直前の8月8日、上海で産まれた。

そして終戦後、着の身着のままで乗り込んだ引き揚げ船が、
日本海で機雷に当たって沈没した。
祖父と祖母は産まれたばかりの父を抱えて必死で脱出し、
偶然近くを通った船に助けられた。
「あの時、沈んどったらお前は産まれてへんねんで」と死んだ祖父は良く話していた。

小学生のころ、平々凡々な我が家の歴史の中に輝く、
このハリウッド映画のように劇的なエピソードを聞くのが大好きだった。
寝る前によくせがんで聞かせてもらっていた。
次の日には決まって友だちに自慢していたものだ。

祖父も祖母も亡くなった今、うちのルーツともいえる
この話を思い出す事も少なくなった。

そして今年。この沈没したこの船に同乗していた人の手記が見つかった。
父がめったにしないネットで「上海」についてたまたま検索していたとき、
偶然見つけたらしい。今手元にあるこのコピーがそうだ。

手記を書いた人は当時中学三年生。当時の上海租界での生活や、戦況の変化が
記されており、「夢のようなとこやった」という祖父の話と合致する部分がたくさんあった。

沈んだ船の名前は江ノ島丸だった。船が機雷に当たったときの様子、
ゆっくりと沈んでいく船、パニックになる船内。
壮絶な状況が事細かに記されていた。
結局、200人が亡くなってしまったらしい。
祖父と祖母がその中で産まれたばかりの父の命を繋ぐためにどれだけがんばったのか、
それを思うと読んでいて涙が出てしまった。じいちゃん、ばあちゃん、ありがとう。

祖父が話してくれたように、息子にこの話をしてやろうと思う。
うちのルーツとして。

父は産まれて初めて海外旅行に行くらしい。
行き先は上海。自分のルーツを見に行くそうだ。
自分も時間があえば、ついていこうと思った。

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